福田雄一の映画を見るたび、毎回すごいと思う。豪華な俳優を集める。人気漫画を原作にする。時代劇の巨大セットまで組む。なのに数十分すると、全部が深夜ドラマのように見えてくる。
もちろん、これは作品の客観的な価値ではなく編集部の見え方だ。俳優の変顔、長めのボケ、妙な沈黙。佐藤二朗やムロツヨシが現れると、一瞬で「福田雄一の世界」になる。原作より監督の顔が前へ出る。これが嫌いな人には、本当に地獄だ。
安っぽさにまで名前が付いている時点で、もうブランドなのだ。
ではなぜ、監督オファーがなくならない?
答えは、ちゃんと客を入れたからだ。『今日から俺は!!劇場版』53.7億円。『新解釈・三國志』40.3億円。『銀魂』38.4億円。『銀魂2』37.0億円。これだけの興行実績がある。
映画会社からすれば、「ネットで嫌われている」より「40億円を作ったことがある」の方が圧倒的に重要だ。批判の大きさは、チケット売上の代わりにはならない。
近作が無双していなくても、実績は消えない
『ブラックナイトパレード』『聖☆おにいさん THE MOVIE』は10億円未満、『アンダーニンジャ』も十数億円規模とされ、以前ほど無双しているわけではない。それでも『新解釈・幕末伝』は10億円を突破した。
毎回40億円ではない。だが大ヒットを複数回つくり、近作も一定規模の観客を動かす。その履歴が、次の企画を預ける理由になる。
しかも、俳優が集まる
もう一つ強いのが「福田組」だ。ムロツヨシ、佐藤二朗、山田孝之、小栗旬、賀来賢人。名前を見ただけで、作品の温度まで想像できる。
『銀魂』の座談会では、佐藤へのオファーを福田が直接電話で行ったことが語られている。福田自身も、監督が熱意を直接話す方がいいという趣旨を述べた。プロデューサーから見れば、監督名だけでキャストとトーンが立ち上がる。これは強い。
安っぽさすら商品になっている
たぶん最大の理由はここだ。こちらが「安っぽい」と感じる部分こそ、好きな人には「福田節」なのだ。豪華俳優と巨大セットを使い、最後は学園祭のような空気へ持っていく。そして、それを見たい客がいる。
映画監督として一番怖いのは、嫌われることではない。誰が撮っても同じに見えることだ。福田雄一は絶対にそうならない。開始20分で「あ、福田雄一だ」と分かる。安っぽくする天才。でも、安っぽさにまで名前が付いている時点で、もうブランドなのだ。
出典・編集注記
本稿の「安っぽい」は作品への主観的な批評表現です。興行収入は日本映画製作者連盟の年次資料、映画.com、ORICON NEWSを参照。直接オファーについては映画.comの『銀魂』座談会を参照しました。出典: / / / / / /






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