三人は移れた、名前だけが移れない
VIVIZのウナ、シンビ、オムジがUNCOREとそろって専属契約を結んだ。三人で活動を続ける意思は明快だ。ところがVIVIZという名称の継続使用は未決着。UNCOREは旧所属先と協議したものの条件面で合意に至らず、早期再開を優先して新名称も検討すると説明した。
人間は同じ、声も関係性も同じ。それでも看板だけが動かない。K-POPで繰り返される“再出発”の不条理が、また露出した。
商標は資産だが、歴史は会社だけの物ではない
旧所属先が契約と投資に基づいて名称を管理すること自体は異常ではない。ロゴ制作、宣伝、流通には費用がかかる。無条件で譲れと迫るのも乱暴だ。
しかしグループ名の価値は会社の広告費だけで生まれない。舞台に立ったメンバーの時間、曲を聴いたファンの記憶、危機を越えた物語が積み上げる。契約終了のたびに名前が人質になるなら、ブランド価値を作った当事者ほど弱い。
GFRIENDから二度目の改名になれば傷は深い
三人は2015年にGFRIENDとしてデビューし、2022年にVIVIZとして再始動した。すでに一度、過去を引き継ぎながら別名で歩く難題を経験している。さらに名称が変われば、検索、楽曲プレイリスト、海外認知、ファンダムの導線をまた組み直すことになる。
“名前が変わっても三人は三人”という励ましは美しい。だが、それを企業交渉の失敗を覆う言葉にしてはいけない。改名費用を払うのは、結局メンバーとファンだ。
早く戻るための改名は敗北ではない
活動停止を長引かせて名称だけを守るより、新名で音楽を出す判断は現実的だ。重要なのは、なぜ変えるのかを曖昧にせず、旧作との連続性を公式に整理すること。名称交渉を炎上劇にせず、合意できなかった事実と今後の権利範囲を示すべきだ。
VIVIZを失っても三人は消えない。だが“本人が移籍しても本人たちの名前は残る”仕組みを作れない業界は、再出発を美談にする資格がない。
ファンに改名作業を丸投げするな
新名称を採るなら、単にロゴを発表して終わりでは足りない。配信サービス上の旧作ページから新活動へ導線を張り、公式プロフィールでGFRIEND、VIVIZ、新名の関係を明示し、検索やハッシュタグが分断されない設計が要る。ファンが自主的に過去動画へ注釈を付け、海外向けに説明して回る状態は運営の怠慢だ。
さらに業界全体では、契約時に名称の共同使用、買い取り価格、活動終了後の扱いを決める標準条項が必要になる。揉めてから“円満に協議中”と書くのでは遅い。三人が同じ船へ乗れたのに、船名だけ岸へ鎖でつながれている。この不合理を慣例で済ませるな。音源の権利と芸名の権利を別々に説明し、旧所属先も新事務所も条件を盾にファンを煽らない。その最低限がなければ、改名は門出ではなく企業間交渉の傷跡になる。
出典・編集注記
出典(2026年10月6日確認):UNCOREが10月5日に3人との専属契約と名称協議の状況を説明したとする報道を参照。名称の権利帰属や交渉条件は公開されておらず、旧所属社の違法性を示すものではありません。






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