36歳、また「動画の中の自分」に負けた

10月1日、YouTuber「ヴァンビ」こと白井竜樹容疑者(36)が、東京・六本木のクラブで20代女性の下半身を触った疑いで現行犯逮捕された。警視庁は認否を明らかにしておらず、現時点では容疑段階だ。

それでも、このニュースを見て「またか」と感じた人は少なくないだろう。

2025年には飲み会に同席した女性インフルエンサーから被害を訴える投稿が出て、2026年にはキャバクラ従業員への暴行映像をAI加工した動画で批判も集めた。

もちろん、それらと今回の逮捕を一本の線で結ぶことはできない。

ただ、36歳という年齢でなお、周囲から「痛い」と言われる振る舞いを繰り返して見せてしまうことには、別の怖さがある。

毎日のように自分を撮り、自分の顔を編集画面で見ている人間が、それでも自分を客観視できない。

YouTuberは最も自分を見る職業のはずなのに

会社員なら、自分が酒席でどう見えているかを映像で確認する機会はほぼない。

しかしYouTuberは違う。

カメラを回し、自分の喋り方、表情、テンション、間、笑い方まで素材として見る。編集を自分でしなくても、完成動画を確認し、数字やコメントという他人の反応まで毎日のように受け取る。

本来なら世界で最も「自分が他人からどう見えているか」を学べる職業の一つだ。

なのに、成功すると逆転する。

登録者数、再生数、取り巻き、案件。「面白い」「すごい」と言われ続けることで、客観視の材料だったカメラが、自分を肯定する鏡に変わっていく。

「若く見える」と「若者のまま」は違う

YouTuberはテレビタレント以上に若者文化と近い。服装もノリも交友関係も若いまま維持しやすい。

だから年齢が上がっても「自分はまだそちら側」という感覚を持ちやすいのかもしれない。

だが36歳が20代と同じテンションで振る舞えば、同じ行動でも見え方は変わる。

年を取るとは、若い頃と同じことができなくなることではない。同じことをした時の意味が変わることだ。

これはヴァンビだけの話ではない。

SNSでは、自分の若い頃の成功イメージを更新できないまま年齢だけ重ねるクリエイターが可視化される。

ヴァンビは日本人最速でYouTube登録者1000万人を達成した成功者だ。

だからこそ怖い。

成功によって周囲が注意しなくなることもある。数字を持つ人間には、スタッフも友人も「それは痛い」と言いにくい。編集で消せる失敗と、現実では消せない失敗の境界も曖昧になる。

映像を撮り、自分を見返し、視聴者の反応まで数字で知る仕事を10年以上続けても、人は自分を見誤る。

カメラは客観視を与えてくれない。

最後に必要なのは、「今の自分は他人からどう見えるか」を疑う能力なのだ。

出典・編集注記

事実確認(2026年10月1日):テレビ朝日とTBS NEWS DIGの同日報道で、YouTuber「ヴァンビ」こと白井竜樹容疑者(36)が、同日午前4時前、東京都港区六本木のクラブで20代女性の下半身を触った東京都迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されたことを確認しました。テレビ朝日は、当時酒に酔っていたとみられ、警視庁が認否を明らかにしていないと報じています。逮捕は有罪の確定ではありません。2025年の飲み会をめぐる記述は女性インフルエンサーらが被害を訴えた投稿・配信についての報道に基づくもので、主張が司法判断などで確定したという意味ではありません。2026年のAI加工動画と批判についてはユーチュラの報道で確認しました。日本人最速でYouTubeチャンネル登録者数1000万人を達成したとの記録は太田プロダクション公式プロフィールでも確認しました。タイトルの「予想通り」や本文中の「痛い」は、オンライン上の反応を踏まえた論評表現であり、客観的評価を示すものではありません。画像は実際の事件、クラブ、逮捕場面を再現したものではなく、女性被害者も描いていません。

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