地下アイドルの特典会を眺めていると、地方のキャバクラと何が違うのだろうと思うことがある。
金を払い、女性と一定時間話す。
名前を覚えてもらい、少し特別な扱いをされる。
通えば「いつもの人」になる。
違うのは酒ではなくチェキが置かれていることくらいだ。
「金を払っている俺」が成立する場所
普段の人間関係では、金を払ったからといって誰かが自分を褒めてくれるわけではない。
だが特典会では違う。
チェキ券を買えば、自分の順番が来る。
会話できる。
笑顔を向けてもらえる。
ここで一部の客は錯覚する。
「俺は金を払っている。だから俺の方が偉い」
説教を始める。
活動方針に口を出す。
他のファンとの差まで要求する。
客という立場を、人間関係の優位性と取り違えてしまう。
しかし、本当に買っているものは何なのか
面白いのはここからだ。
客はアイドルを金で支配しているつもりかもしれない。
しかし実際には、一枚数千円のチェキを何度も買い、数十秒の会話のために再び列へ戻っていく。
商品になっているのは写真だけではない。
「自分を認識してくれる」
「自分には笑ってくれる」
という感情そのものだ。
搾取されているのは、どちらなのか
もちろん、アイドル側にも過酷なノルマや低待遇が存在するケースはある。
だから単純に「ファンが搾取されている」とは言えない。
ただ、「金を払う側=強者」という構図だけは疑った方がいい。
本当に主導権を握っている商売とは、客自身に「もっと金を払いたい」と思わせる商売だからだ。
自分は客だから偉い。
そう思いながら今日もチェキ券を追加する。
その瞬間、一番上手く商売されているのは誰なのだろう。






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