MCUがマーベル・シネマティック・ユニバースなら、これはHMUである。

ハロルド作石マンガユニバース。

もちろん、そんな公式名称はない。

勝手に呼んでいるだけだ。

でも『THE BAND』を読んでいると、どうしてもそう思ってしまう。

『BECK 2』ではないのが重要

『THE BAND』は、『BECK』完結から16年を経て始まった新たなバンド漫画だ。

主人公は新木友平。

ギターと出会い、仲間と出会い、音楽の世界へ入っていく。

設定だけ見れば当然『BECK』を思い出す。

だが面白いのは、コユキをもう一度主人公にしなかったことだ。

同じ「音楽」を描きながら、別の若者の人生が始まる。

つまり世界には、一人の主人公しかいないわけではない。

ハロルド作石の漫画には「世界」がある

『ゴリラーマン』。

『ストッパー毒島』。

『BECK』。

『RiN』。

そして『THE BAND』。

題材は不良、野球、音楽、漫画とバラバラだ。

それでも読んでいると、どこか同じ街の別の場所で起きているような感覚がある。

妙にリアルな人間。

突然現れる天才。

圧倒的才能を持つ人間と、それを目撃して人生を狂わされる普通の人。

ハロルド作石作品には共通する“重力”がある。

ヒーローではなく「才能」がクロスオーバーする

MCUならアイアンマンとキャプテン・アメリカが出会う。

HMUでは、もっと曖昧だ。

音楽。

漫画。

野球。

喧嘩。

それぞれ違う場所で、何かに取り憑かれた人間が人生を懸ける。

キャラクターが集合しなくても、世界観はつながる。

『THE BAND』は『BECK』の続編でなくていい。

むしろ別の少年がギターを持ったことで、

「あの世界では今も、どこかで誰かがバンドを始めている」

と思えることの方が重要なのだ。

『THE BAND』は新作である。

そして同時に、HMUの最新作なのかもしれない。

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