おすすめ欄に「櫻坂チャンネル」が出てきたので、何となく再生してみた。

正直、面白くなくて途中で閉じた。

別に櫻坂46が嫌いなわけではない。『そこ曲がったら、櫻坂?』なら普通に見られる。なのに公式YouTubeでメンバーが旅をしたり、食事をしたりする映像になると、どうにも長く感じる。

これは男性アイドルでも女性アイドルでも同じだ。

ファンには「いるだけ」で面白い

公式YouTubeはいまやアイドルの標準装備だ。櫻坂46も2023年に「櫻坂チャンネル」を開設し、旅や買い物、舞台裏など、冠番組では見られない日常を届けている。

ファンにはたまらないだろう。

推しがご飯を食べる。笑う。いつもと違う服を着ている。それだけで動画を見る理由になる。何なら大きな事件など起きない方がいい。

ファンが求めるのは「面白い出来事」ではなく、「好きな人と一緒に過ごした時間」なのかもしれない。

旅先で何か食べるだけでも、ファンは「これが好きなんだ」と楽しめる。初見は「で、次は?」となる。視聴の前提が違う。

しかし推しがいない視聴者には、その時間を買う理由がない。

土田と澤部は何をしていたのか

そこで思い出すのが『そこ曲がったら、櫻坂?』だ。

MCは土田晃之とハライチ澤部佑。何げない一言を拾い、話を広げ、ほかのメンバーへ振り、失敗さえ笑いへ変える。

会話が止まれば動かす。説明が足りなければ補う。見せ場のない子にも出番を作る。

土田と澤部は、イジる箇所とフォローすべき箇所を見極める。メンバーを傷つけず、キャラクターを記憶に残す。大声で笑うだけの仕事ではない。

もちろん企画を考える作家、現場を動かすディレクター、間を削る編集の仕事も大きい。

アイドルが面白かったのではなく、アイドルを面白く見せるプロたちの仕事を見ていたのだ。

いや、アイドル本人にも魅力はある。ただ、その魅力が画面越しの他人に伝わるまでには、翻訳者が必要だった。

YouTubeに「面白い」は不要なのか

では、公式YouTubeに笑いや展開を求める方が間違っているのか。

半分はそうだ。ファン向けの映像は、ファンが喜べば十分成立する。テレビのバラエティと同じ物差しで採点する必要はない。

しかし、新しいファンを増やしたいなら話は別だ。

すでに好きな人を満足させる動画と、知らない人を最後まで見せる動画では設計が違う。後者には、人物を知らなくても追える目的、展開、驚きが要る。

知らない人の旅行記を30分見るのはしんどい。だが、旅の途中で何を達成するのかが明確なら見られる。

人気者を並べるだけで番組は成立しない。

芸人MCとは単なる賑やかしではなく、タレントと視聴者の距離を埋める仕事なのだ。

公式YouTubeを途中で閉じて、改めてそれが分かった。

出典・編集注記

櫻坂46は2023年5月1日に「櫻坂チャンネル」を開設。2026年も旅行、買い物、ライブの舞台裏などを公開している。『そこ曲がったら、櫻坂?』はテレビ東京で放送され、MCは土田晃之と澤部佑が務める。参考:櫻坂46公式サイト「櫻坂チャンネル」開設のお知らせ、同サイト動画一覧、テレビ東京『そこ曲がったら、櫻坂?』番組公式サイト。画像は実際の櫻坂46メンバー、土田晃之、澤部佑、番組、収録現場を撮影・複製したものではありません。

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