またも「溝口界隈」でトラブルである。9月15日、人気キャバ嬢・ヤマトリノこと田澤梨乃容疑者が、交際相手と自宅でコカイン約0.4グラムを所持した疑いで現行犯逮捕された。田澤容疑者は「2人のもの。一緒に使っていた」と容疑を認めていると報じられている。もちろん逮捕は有罪確定ではない。
少し前には、BreakingDown出身のこめおが経営する「割烹こめを」の冷やし蟹ラーメンで集団食中毒が発生。港区はサルモネラ属菌による食中毒と断定し、9月11日時点の患者は123人に拡大した。法律で義務づけられた日々の衛生管理記録も行われていなかったという。
全員がアクセルなら事故る。本当に必要なのは、それでも「やめろ」と言える全然面白くない大人だ。
「溝口界隈」という雑なくくり
もちろん、こめおとヤマトリノに直接の関係があるわけではない。「溝口界隈」というくくり自体かなり雑だ。それでも名前が一緒に出てくるのには理由がある。
こめおはBreakingDownで名を売り、溝口勇児とは今回の原因施設とは別の浅草「かにを」を共同経営。ヤマトリノはキャバ嬢企画『LAST CALL』をめぐって溝口を約1時間公開説教し、「41歳なのに全てが子ども」とまで切り込んで話題になった。そのヤマトリノが、約2カ月後には自分がニュースになる側へ回った。
ただし、二つの事件を同じ原因で説明できる証拠もない。ここから先は、個別事件の事実認定ではなく、集団の構造を考えるための論評である。
全員がアクセルなら事故る
自己顕示欲の強い人間は、なぜ時々ものすごくバカな判断をするのか。たぶん、自分を大きく見せることで成功してきたからだ。俺は特別。私は他人とは違う。普通のルールで測るな。アンチは嫉妬。この感覚はSNSでは強い。
炎上しても再生数になる。喧嘩してもコンテンツになる。常識から外れるほどフォロワーが増える。「普通の人がやらないこと」が、そのまま商売になる。すると「目立つために常識を破る」と「本当に破ってはいけないルール」の境界まで、本人の中で薄くなっていく。
しかも周囲にブレーキ役がいない。溝口自身、今年7月に「ずっと炎上上等でやってきた」「だいぶ傲慢だった」と認め、周囲まで同じ目で見られる状況を語った。つまり、この界隈で一番「止める大人」に見える人間まで、止める側ではなく止められる側なのである。
必要なのは、面白くない大人
強烈な個性を持つ人間を集めること自体はエンタメとして正しい。BreakingDownは「普通じゃない奴」をスターにする装置として成功した。でも、全員がアクセルなら事故る。
本当に必要なのは、再生数も取れない、喧嘩も強くない、SNSでもバズらない、それでも「それはやめろ」と言える全然面白くない大人なのかもしれない。
自己顕示欲がバカなのではない。自己顕示欲だけで成功した人間の周りから、最後のブレーキまで消えた時、人は本当にバカなことをする。
出典・編集注記
ヤマトリノこと田澤梨乃容疑者の逮捕容疑・供述は時事通信とテレビ朝日の2026年9月16〜17日付報道、冷やし蟹ラーメンによる食中毒は港区の9月3日付調査結果とテレビ朝日の9月11日付報道を参照しました。患者123人は9月11日時点の港区発表です。浅草「かにを」の運営関係は株式会社蟹をの発表、溝口勇児の7月の発言はJ-CASTニュース、ヤマトリノとの対談はユーチュラの報道を参照。逮捕は有罪確定ではなく、二つの事案に共通原因があると認定するものでもありません。本文後半は公開情報を材料にした編集部の論評です。画像は実際の人物・店舗・捜査場面を撮影したものではありません。






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