2025年の国内ライブ・エンタテインメント市場は8564億円。ぴあ総研によれば前年比12.6%増で、3年連続の過去最高となった。動員は9223万人、公演数は10万820回。数字だけ見れば、ライブは完全復活どころか成長期である。
ただし、動員一人あたりの単価は9286円で4.5%上昇。ぴあ総研は、成長の主因が公演数の増加から、興行の大型化と単価上昇へ移ったと分析する。大型アリーナ、ドーム、人気IP、VIP席が売上を押し上げている。
市場の過去最高と、ファンの幸福度の過去最高は同じ意味ではない。
客が増えた市場から、客単価を上げる市場へ
問題は、市場全体が伸びても、すべての現場が豊かになるわけではないことだ。舞台技術者不足、施設老朽化、中規模ホール不足は残る。限られた人材と会場が、より売上の見込める大型公演へ集まりやすくなる。
ファン側にも二極化が起きる。良席、特典、専用入口を買える客には体験が増える。一方、通常席でもチケット代に手数料と交通費が重なり、若い客やライト層は回数を減らす。市場が成長しても、参加できる人が固定されれば文化の入口は狭くなる。
2035年には1兆円規模が予測される。必要なのは値下げだけではない。低価格席、U-23、公式リセール、中規模会場への投資を同時に増やすことだ。売上の最高記録を、来場できる人の多さへ戻せるかが次の勝負になる。
出典・編集注記
ぴあ総研が2026年6月17日に公表した2025年のライブ・エンタテインメント市場調査を参照しました。市場規模は音楽コンサートとステージパフォーマンスの推計チケット販売額です。






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