10月5日、南青山で『マットレース by Koala』が開かれる。コアラマットレスの上で90分眠り、睡眠の深さ、入眠までの時間、安定性などから独自の「睡眠スコア」を算出。総合1位には、眠りの「Zzz」にちなむ賞金222万円が贈られる。

企画監修は「泡パ」などで知られるアフロマンス。全3レース、各20人程度が、入眠体操や“ちょっとした睡眠妨害”を越えて眠る。

面白い。写真にもなる。イベントとして強い。だが、睡眠不足を訴えるために、眠りまで勝敗へ変えるのはずいぶん日本的である。

休む権利を伝えるために、なぜ優勝者を一人つくらなければならないのか。

休息にまで、偏差値がつく

歩数、心拍数、集中時間、生産性。私たちは身体を数字にすれば改善できると信じてきた。今度は睡眠にも順位表がつく。

よく眠れない人ほど、本来は責められるべきではない。仕事、育児、介護、住環境。眠れなさには本人の努力だけで解決しない事情がある。それでもスコアを見せられると、「休むのも下手な人」になってしまう。

企業イベントだから、話題と商品体験を作るのは当然だ。競技化によって睡眠へ目を向けさせる狙いも分かる。だが問題提起の形が、参加者へ新しい成績表を配ることなのか。

眠ることまで、成果にしなくていい

休む権利を伝えるために、なぜ優勝者を一人つくらなければならないのか。

222万円を取れなくても、深く眠れなくても、横になるだけでいい夜はある。『マットレース』最大の皮肉は、全力で休めと命じられた瞬間、休息がまた仕事になることだ。

出典・編集注記

『マットレース by Koala』は2026年10月5日にSHARE GREEN MINAMI AOYAMAで開催予定です。全3レース、各20人程度、90分の睡眠を計測し、独自の睡眠スコアで競うこと、総合1位の賞金が222万円であること、医師監修の基準を用いる予定であることは、主催者・企画会社の公式発表に基づきます。個別の計測機器や採点式の詳細は公表資料の範囲を超えて断定していません。本文はイベント設計を論じる企画批評で、医学的助言ではありません。

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