菊池風磨に、少なくとも今のtimeleszを率いる「リーダーの資格」はあるのか。

STARTOの公式プロフィールにリーダーの表記はない。だが、新メンバーオーディション「timelesz project」で候補生を審査し、加入後もグループの中心として発言してきた一人が菊池である。1万8922件の応募から約10か月かけて選ばれた5人。その一人が猪俣周杜だった。

猪俣は2025年2月に加入。2026年9月19日、知人女性への傷害容疑で逮捕され、報道によれば容疑を否認している。STARTO ENTERTAINMENTは当面の謹慎と活動休止を発表した。逮捕は有罪確定ではない。

指導者は、成功の中央に立つ人ではない。責任が生まれた瞬間に前へ出られる人だ。

成人本人の問題と、選んだ側の責任は別だ

25歳の成人が私生活で起こしたとされる行為に、菊池が法的・直接的責任を負うわけではない。選考で将来の全行動を見抜けと言うのも無理がある。オーディションは身元調査の代替ではなく、選考者を後見人にする制度でもない。

ただし「自分たちで仲間を選ぶ」過程を巨大なエンタメとして売った以上、成功した時だけ選考者の物語を語り、問題が起きた時だけ「本人と事務所の問題」で終えるのも違う。ここで問われるのは犯罪を防げなかった責任ではなく、ファンへ何を説明し、グループをどう進めるかという運営上の責任だ。

タイプロで一番目立ったのは誰だったか

タイプロは候補生を選び育てる番組だった。しかし厳しい言葉、鋭いツッコミ、泣けるコメントまで、「菊池風磨が何を言うか」も大きな見せ場になった。それで視聴者を集めたのだから、スターとしては正しい。番組で候補生の未熟さを切り取った以上、選考者の未熟さだけ編集で消すことはできない。

だが指導者の仕事は、自分が格好よく映ることではない。選んだ人間を育て、危うさがあれば注意し、事態が起きた時には前に立つことだ。オーディション中に候補生へ求めた覚悟を、今度は選んだ側が示す番である。

沈黙もまた、ファンにはメッセージになる

事務所は被害を受けたとする相手へ謝罪し、処分方針を公表した。本稿公開時点で、編集部が確認した菊池本人の公式発信には、ファンへ向けた直接の説明は見当たらない。捜査中で話せない事実はある。説明とは容疑の中身を語ることだけではない。それでも「選んだのは自分たちだ。その上でグループをどう守るか」は語れる。

タイプロは、選ぶ過程そのものを商品にした。なら選んだ後の困難も物語の外へ捨てられない。ファンが求めるのは、捜査を先取りする断罪でも完璧な謝罪文でもなく、自分の言葉で今後を引き受ける姿だ。

指導者は、成功の中央に立つ人ではない。責任が生まれた瞬間に前へ出られる人だ。菊池風磨が本当にtimeleszの中心でいたいなら、次に必要なのはツッコミでも名言でもない。沈黙を破り、グループの未来を語ることである。

出典・編集注記

STARTO ENTERTAINMENTの2026年9月19日付発表、TBS NEWS DIG、日刊スポーツ、STARTO公式プロフィールを参照しました。猪俣周杜は知人女性への傷害容疑で逮捕され、報道では容疑を否認。事務所は当面の謹慎・活動休止を発表しています。逮捕は有罪確定を意味しません。25歳の成人に関する法的・直接的責任を菊池風磨へ帰す記事ではなく、公開オーディションで仲間を選び、その過程を商品化したグループ中核メンバーの説明姿勢を論じたものです。本文後半は編集部の論評です。画像は本人写真や実際の現場ではありません。

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