海外で満員=海外で売れた、ではない

JO1は2026年、北米ツアーを開催。&TEAMも台北、仁川、香港、バンコク、シンガポールへ広げ、Number_iも2027年にアジア・北米公演を控える。

日本のボーイズグループが海外へ出ることは珍しくなくなった。

だが一度考えたい。

海外の会場を埋めたことと、海外の人に売れたことは同じではない。

客席には、日本から遠征した既存ファン、現地在住の日本人、現地で初めて彼らを知ったファンがいる。

同じ1000人でも、日本から1000人が飛んだのか、現地で1000人を新しく獲得したのかでは「海外進出」の意味は違う。

円安だけではない。公演自体が消える

しかも今、日本から海外公演へ行くハードルは高い。

航空券、ホテル、食事、現地交通。円安になれば全てが重くなる。

そして2026年は、海外公演の急な中止も目立つ。

JO1は9月予定だったソウル2公演を「会場周辺の状況や運営上の要件」を理由に中止。10月8日のサンフランシスコ公演も当日に中止された。さらにニューヨーク公演は事前に会場変更も発生している。

中島美嘉のソウル公演は現地主催・制作会社の都合、Little Glee Monsterの台北公演は台風、山田涼介のバンコク公演は悪天候で中止となった。

理由はそれぞれ違う。動員不足だったと決めつけることもできない。

しかし日本から飛ぶファンにとっては、理由が何であれ「ライブが消えても航空券とホテル代は残る」という現実がある。

海外は、会場、現地主催者、天候、治安、ビザ、輸送など、自分たちだけでは制御できない変数も増える。国内なら事務所が握れる範囲が広くても、海外では一つのトラブルが公演全体を止める。

日本人を連れていくモデルは限界が来る

海外公演のチケットが1万円台でも、北米なら渡航と宿泊だけで何倍もの費用がかかる。

さらに中止リスクまで意識されれば、「海外だから行こう」と動ける日本人ファンは減っていく。

最初は日本のファンが追いかけてもいい。海外公演の初速になる。

だが最終的には、日本から誰も飛ばなくても埋まる会場を作らなければならない。

だから「海外公演をやった」という事実だけでグローバル化を評価するのも危うい。現地販売、現地ストリーミング、現地SNS反応まで見て初めて、市場を作れたかが分かる。

海外公演の成功を「○○人動員」で終わらせてはいけない。

重要なのは、その○○人がどこでファンになったのか。

世界進出とは、日本のファンを世界中へ連れ回すことではない。

世界中に、その国から動かなくても会いに来てくれるファンを作ることなのである。

出典・編集注記

JO1は2026年9月26・27日に予定していたソウル公演を、会場周辺の状況や運営上の要件を総合的に検討した結果、中止。10月8日のサンフランシスコ公演も当日に中止を発表した。ニューヨーク公演は9月にTerminal 5からWebster Hallへ会場変更されている。(JO1 OFFICIAL SITE) 2026年には中島美嘉のソウル公演が現地主催・制作会社の都合、Little Glee Monsterの台北公演が台風9号、山田涼介のバンコク公演が悪天候の影響でそれぞれ中止となった。(ソニーミュージックオフィシャルサイト) 画像は実際のアーティスト、ファン、会場、公演を撮影・複製したものではありません。

SHARE