アイドルが台湾へ行く。タイへ行く。韓国へ行く。そして「海外進出!」みたいな空気を出す。

いや。飛行機に乗っただけだろ。

海外遠征と海外市場は、別物だ。

デビュー4か月でも海外には行ける

2026年5月、VVSiSは「TIF ASIA TOUR」の台北公演に出演した。デビューEPの発売は1月25日。関連する公式リリースも「デビューからわずか4ヶ月で初の海外公演」と宣伝している。

さらに4月の「TAIPEI CITY IDOL EXPO 2026」には、日本から、めっ!、XINXIN、AZ-ON、zanka、JINKS、WeZ、AZATOY、hakanaiなど、多数のライブアイドルが出演した。彼女たちを馬鹿にしているのではない。むしろ答えは逆だ。海外でライブすること自体が、もう選ばれしスターだけの特権ではない。

事務所の財布は人気ではない

航空券を取り、ホテルを押さえ、現地主催者とつなぎ、スタッフを連れていく。海外遠征を実現できることは、運営能力の証明にはなる。でも、客がいる証明にはならない。

事務所に金があれば、アイドルを台湾まで運ぶことはできる。できないのは、台湾の人に「この子を見るために金を払いたい」と思わせることだ。そこは札束では買えない。

BABYMETALは「行った」のではなく市場を作った

BABYMETALは2025年、ロンドンのO2アリーナで日本人グループ初の単独公演を行い、約2万人規模の会場を完売させた。これなら世界進出と言っていい。現地に客がいる。何度も戻る。会場が大きくなる。海外遠征と海外市場は別物だ。

松田聖子だって『アルマゲドン』に出演しただけで「ハリウッド制覇」とは言われなかった。渡辺謙は『ラスト サムライ』でアカデミー助演男優賞候補になり、その後も海外作品で仕事を続けた。これが世界で仕事を取るということだ。

海外を名乗りたいなら、現地の客を作れ

台湾で20分歌って記念写真。それも経験としては素晴らしい。ただ、それを「世界進出」と呼ぶな。事務所の資金力を、アイドルの人気と勘違いするな。

海外を名乗りたいなら、現地の客を作れ。そして本当に世界で売れたら、渡辺謙くらいになってから日本に帰ってこい。

出典・編集注記

公開された公式発表とイベント情報を基に構成した論評です。本文で挙げた各グループの人気や活動実績そのものを否定するものではなく、「海外公演」という実績表示の評価基準を論じています。

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