日米合作ブロードウェイミュージカル『フル・モンティ』が9月10日、大阪・新歌舞伎座公演を始める。山本耕史、ゆりやんレトリィバァに米国キャストが加わり、演出はトレイ・エレット、振付はポール・マギル。全編英語、日本語字幕付きだ。

本場のリズムを壊さず、日米の俳優が同じ言語で演じる。狙いは分かる。だが客は、歌詞を読むために字幕を見て、芝居を感じるために舞台を見る。目は一組しかない。

国際化とは、客に翻訳作業をさせることではない。

“本場”を守って、観客を置いていくな

ミュージカルは言葉だけではない。声、身体、間、表情が同時に来る。字幕へ視線を送るたび、そのどれかを取りこぼす。映画なら画面内に字幕がある。劇場では俳優と字幕の距離まで座席で変わる。

もちろん全編英語は挑戦であり、英語圏キャストとの共同制作だから生まれる速度もある。ただ、日本で日本の観客へ売るなら、理解のコストまで演出が引き受けるべきだ。国際化とは、客に翻訳作業をさせることではない。 “英語でやった”より、“英語でも届いた”まで作って初めて日米合作である。

出典・編集注記

公式公演情報と新歌舞伎座、ステージナタリーの案内を参照しました。日米合作ブロードウェイミュージカル『フル・モンティ』は東京公演を2026年8月19日から9月7日まで実施し、大阪・新歌舞伎座公演を9月10日から14日まで上演。全編英語、日本語字幕付きです。本稿は舞台を鑑賞済みとして論評せず、公式に明示された上演言語と制作設計を批評します。

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