藤井風のバンコク公演が中止になった。公式理由は「予期せぬ事情」だけだった。
販売ページの座席表示を見たファンからは「チケットが残っていた」との声や、価格、座席配置、現地プロモーターへの不満がSNSへ投稿された。一方、販売枚数は公表されておらず、チケット不振が中止理由だったとの公式確認もない。「かなり売れていたのでは」という反対の見方もある。断定はできない。
「海外進出決定!」は、ゴールではなく現地市場づくりのスタート地点だ。
日本で売れている=海外でも売れる、ではない
藤井風は2024年、バンコクのIMPACT Arenaで2公演を完売させた。2026年はスパチャラサイ国立競技場へスケールアップし、チケット価格は2,800〜6,300バーツ。アリーナを埋め、次はスタジアム。日本から見れば順調な「世界進出」に見える。
だが海外では、現地の所得、チケット価格、会場規模、プロモーターへの信頼、その国での知名度が、突然リアルな数字になる。ストリーミングで大きな再生数を獲得しても、その街の人が土曜の夜に金を払い、会場まで来るかは別問題だ。
海外人気はSNSでは測れない
「海外でもバズっている」「外国語のコメントが多い」。それは入口でしかない。本当の海外人気は、現地で何枚売ったか、次も呼ばれるか、会場を大きくできるかで初めて分かる。
SNSの反応は国境を一瞬で越える。しかし、チケット代、交通費、時間を払う人間は一人ずつしか増えない。再生数と購買力は、同じ数字ではない。
相次ぐ中止を、全部「売れなかった」で片付けるな
Vaundyの上海公演も中止されたが、他のアジア公演では完売が発表されている。だから相次ぐ中止を全部「売れなかった」で説明するのも雑だ。政治、運営、契約、会場、販売。海外興行には複数のリスクがあり、理由が明かされない限り断定はできない。
ただ一つ確かなのは、日本でスターになるより、世界の各都市でスターになる方が圧倒的に面倒くさいということだ。
飛行機に乗った先で、もう一度売る
「海外進出決定!」はスタート地点だ。現地ごとに価格を決め、信頼できる相手と組み、知らない客へ届く入口をつくる。国内人気を運ぶだけでは、座席は埋まらない。
飛行機に乗るのは簡単だ。難しいのは、現地の知らない人間に、自分を見るための金を払わせることだ。
出典・編集注記
藤井風およびVaundyの公式発表、公式チケット情報を基に構成した論評です。藤井風バンコク公演の中止理由は「予期せぬ事情」とのみ発表され、販売不振が理由だったとの公式確認はありません。SNS上の声は推測として扱っています。公式情報: / /






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