閉幕1年を、90分のショーへ束ねた

大阪・関西万博閉幕から1年の10月13日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのグラマシーパークで『EXPO Beat Jam』が開かれた。11時から12時30分、新しい学校のリーダーズ、コブクロ、SISが出演し、フットボールアワーが進行。ミャクミャクとパークのキャラクターも同じ舞台に立った。

公開写真と映像では、万博の色彩、音楽、キャラクターを一つの高揚へ再編集している。異なる出演者を短時間でつなぐ構成は周年祭として分かりやすい。ただし本稿は現地で演奏や客席の音を確かめたレビューではない。主催資料と報道から評価できるのは、記憶をどこで誰に見せる企画だったかだ。

主催案内は抽選招待3150人とJTB商品向け50人を用意し、報道は約3500人が集まったと伝えた。招待枠があるとはいえ、会場は入場券を要するテーマパーク内にある。万人の税金と協力で作られた万博の周年を、入園できる人の体験へ置く判断には説明が要る。

ミャクミャクとハミクマの共演が示す交換

ミャクミャクは万博の公共的な顔で、ハミクマやセサミストリートの仲間はUSJの世界観に属する。両者の共演は大阪の観光資源を横断し、子どもにも記憶を渡す。祭りとして楽しい一方、公的キャラクターの知名度が民間施設の集客へどう使われたかは検証対象になる。

出演した新しい学校のリーダーズとコブクロは、万博と関係を持ってきた音楽家だ。SISを含め、再会の物語を作る人選には連続性がある。ただ、周年の記憶が有名曲と公式キャラクターだけで固まれば、パビリオンで働いた人、ボランティア、近隣住民の経験は背景へ退く。

知事や市長が登壇する行政イベントでもある以上、成果を観客の歓声だけで測れない。公費負担、会場選定、招待方法、配信や記録映像の公開範囲を示してこそ、現地に来られなかった人も検証できる。写真映えは報告書の代わりにならない。開催後資料には舞台写真と出演者の言葉が豊富に並ぶ。そこへ観客のアクセシビリティ、暑さ対策、混雑対応の検証も加われば、次の公共イベントへ残る知識になる。

思い出を再販する前に、開いて残せ

テーマパークには安全な運営、設備、演出力があり、大人数の再会を成立させやすい。民間会場を使うこと自体を否定する理由はない。問題は、そこで生まれた公的な記録を園内だけに閉じるか、後から誰もが見られる形で残すかだ。

周年企画は懐かしさを商品へ変えやすい。限定グッズ、旅行商品、次の来園動機へつながるからこそ、公共側は商業効果と文化的保存を分けて報告すべきだ。会場の外でも写真、映像、字幕、出演者情報へアクセスできれば、記憶は購入者だけの所有物にならない。

EXPO Beat Jamは万博の熱を再点火した。だが閉幕1年の記憶までUSJのゲートで囲えば、祝祭は広告になる。大阪が残すべきなのは満員の写真ではなく、誰でも開ける記録だ。

出典・編集注記

出典(10月14日確認):大阪にぎわい創出発信事業実行委員会の開催後資料、事前案内、USJ発表、MBS NEWS。開催済みイベントを公開写真・映像・複数報道から論じた資料レビューで、編集部が現地鑑賞した記事ではありません。写真:主催者の報道配布素材。ロゴ部分をぼかし、トリミング・WebP化。

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