整形した鼻は、子どもには遺伝しない。

二重にしても、輪郭を変えても、親の遺伝子が書き換わるわけではない。

それでも美容整形は、別の意味では「後天的に遺伝」するのではないか。

遺伝するのは顔ではなく「この顔では足りない」という感覚

親が鏡を見ながら「鼻が低い」「この顔が嫌い」と言う。

そして整形によってコンプレックスを解消する。

その姿を見て育った子どもにとって、「容姿の悩みは手術で直せる」という考え方は、親世代よりはるかに自然なものになる。

これはDNAではない。

価値観の遺伝だ。

『ビューティースタジアム』が映す、整形の日常化

YouTube番組『BEAUTY STADIUM』では、「美容整形で人生を変えたい」という人たちの施術過程そのものがコンテンツになっている。美容外科医が出演し、外見の変化を通じて人生を変えるという構造だ。(MyCLI⁠)

さらに番組では、子どもの整形の是非や、親が子どもを美容クリニックへ連れてくるケースについても議論されている。(Yahoo! Japan⁠)

整形はもう、一部の芸能人だけが隠れてするものではない。

家族で話し合い、YouTubeで手術を見る時代になった。

親が持っていたコンプレックスの「次」

ここで少し怖いのは、親自身が嫌っていた顔の特徴を、子どもが受け継いだ場合だ。

親が自分の鼻を嫌って整形した。

そして、その整形前の鼻に似た子どもが生まれる。

親は何も言わなくても、子どもはいずれ気づくかもしれない。

「お母さんは、この顔が嫌だったんだ」と。

顔は遺伝する。整形への抵抗感も受け継がれる

親が整形していること自体が悪いわけではない。

自分の身体をどうするかは本人の自由だ。

ただ、整形が「特別な決断」から「気になるなら直せばいい」という日常の選択肢へ変われば、次の世代の心理的ハードルも当然下がる。

変えた顔は遺伝しない。

しかし、

「この顔は変えてもいい」

という価値観は、確実に家庭の中を流れていく。

整形とは、もしかすると最も現代的な“後天的遺伝”なのかもしれない。

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