子役上がりの俳優を見ていると、最近妙に「ちゃんとしている」。

鈴木福、加藤清史郎、寺田心、本田望結。

もちろん人間だから千差万別だし、表に見える姿だけで人格まで断定はできない。それでも、昔の「売れすぎた子役が成長後に荒れる」という物語より、学校へ行き、進路を考え、大人になっても仕事を続ける姿の方が目立つ。

もちろん、生き残った成功例ばかりを見ている可能性もある。ただSNS時代は一度の失言や素行まで残る。事務所も親も、成人後まで含めて育てる必要が出てきた。

『この子はスターになる前に、一人の人間だ』と扱う大人が増えたからなのかもしれない。

親が変わったのか?

昔の子役話には、少し怖い定番がある。

『あっぱれさんま大先生』で人気だった中武佳奈子は、売れた当時、親がステージママ化し、毛皮や大きなダイヤを買い、車も2年ごとに新車になったと振り返っている。

子供が稼いだ瞬間、家族の車が変わる。親のバッグが変わる。

そうなると子供は、子供である前に「家族を食わせる商品」になりかねない。

ところが今の子役たちの話を聞くと、少し違う。

鈴木福は、両親が現場への送迎や台本、学校の勉強を支えながら、「ダメなものはダメ」と叱っていたと語る。加藤清史郎も、現場ではまず宿題を終えるのがルールで、学校生活をできる限り優先してもらっていた。

本田望結も、両親から「勉強しなさい」「トレーニングしなさい」と強制された記憶はなく、「決断は自分でしなさい」と育てられたという。

子供の金を、親の成功にしない

金銭感覚も興味深い。

2020年、濱田龍臣は子役時代からのギャラが入る大きな口座と、毎月10万円だけ入る口座を分けてもらっていると明かした。加藤清史郎、鈴木福も当時、自分の収入は親が管理し、詳しく知らないと話している。

つまり「子供が稼いだ=家の金」と直結させない家庭がある。

もちろん昔から良識的な親はいたし、今にも問題はある。

ただ現在は文化庁も、未成年者の契約、労働時間、保護者の関与、ハラスメントまで具体的に整理している。

そして親側にも、

「売れた子役」より「売れなくなっても生きられる子供」を育てる意識が強くなったのではないか。

寺田心は高校生になり、俳優と獣医師の両立まで考えている。

子役で成功することを人生のゴールにしない。

売れた金で親のバッグを変えるより、本人の口座と選択肢を残す。

最近の子役上がりが好青年に見える理由があるとすれば、演技教育だけではない。

「この子はスターになる前に、一人の人間だ」と扱う大人が増えたからなのかもしれない。

出典・編集注記

鈴木福の両親が仕事と学校を支えながら規律を教えていたという発言、加藤清史郎が学校と宿題を優先していたという取材、本田望結の進路を自分で決めるという家庭方針、濱田龍臣が子役時代の収入を大きな口座と毎月10万円の口座に分けていたという発言、寺田心が俳優と獣医師の両立を目指していること、中武佳奈子が子役時代の家庭環境を振り返った発言を照合しました。未成年者の契約・労働時間などの保護は、厚生労働省の子役に関するFAQと資料、文化庁の文化芸術分野の意見整理を参照しています。本文の『子役を一人の人間として扱う大人が増えた』という結論は、個別の発言から導く編集部の仮説であり、業界全体の統計的検証ではありません。

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