日本映画には、毎年ほぼ同じ季節がやって来る。

注目の若手俳優。

人気アイドル。

制服。

高校。

幼なじみ。

片思い。

すれ違い。

告白。

またこれか。

2025年の『隣のステラ』は福本莉子×FANTASTICS・八木勇征。

2024年の『恋を知らない僕たちは』には大西流星、齊藤なぎさ、猪狩蒼弥らが出演。

2026年11月には原菜乃華×ACEes・作間龍斗の『ないものねだりの君に光の花束を』。

そして10月には、なにわ男子・道枝駿佑×安斉星来の『うるわしの宵の月』まで控えている。高校で「王子」と呼ばれる美男美女二人が初めての恋をする。

今年も高校生が恋をする。

もちろん全部同じ話ではない。

設定も原作も違う。

『うるわしの宵の月』なんて「W王子」というフックもある。

でも映画館の予告を並べると、

「今年の制服恋愛映画はこちらです」

という新商品発表会に見えてくる。

なぜ作るのか。

たぶん外しにくいからだ。

人気漫画を使える。

旬の俳優を並べられる。

恋愛なら説明不要。

高校なら青春。

主題歌も作れる。

ファンは推しの制服姿を見に来る。

完璧である。

興行商品としては。

でも、作っていて楽しいのだろうか。

「人気の男女を高校生にして恋愛させてください」

大喜利のお題として、あまりにも弱い。

タイムリープもしない。殺人事件も起きない。宇宙にも行かない。

好きになる。

すれ違う。

泣く。

告白する。

その映画、去年も見た。

若手俳優が悪いわけじゃない。

少女漫画原作が悪いわけでもない。

問題は、

「人気者×制服×恋愛」で企画した気になってしまうことだ。

面白いとは、新しいことだ。

共感だけなら去年の映画でもできる。

今年わざわざ数億円かけて新しく撮るなら、

せめて「去年の映画を再上映すればよくない?」に勝てる大喜利の答えを見せてほしい。

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