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昔の坂道アイドルには、

「女の子が女の子に憧れる」

という強さがあった。

白石麻衣、西野七瀬、齋藤飛鳥。

女性誌のモデルになり、髪型や服装を真似される。

男が「付き合いたい」と思うだけではなく、女が「こうなりたい」と思う存在だった。

坂道はAKB系との差別化として、どこか都会的で、上品で、簡単には届かなそうな空気を持っていた。

いつから「こっち側」になった?

最近の坂道を見ると、少し方向が違う。

アニメが好き。

ゲームが好き。

漫画が好き。

家にいる。

人見知り。

学生時代は目立たなかった。

そんなエピソードがむしろ武器になる。

もちろん本人たちの趣味を否定しているわけではない。

ただ、売り方として、

「こんな美少女なのに、実はあなたたちと同じです」

が強くなった。

憧れより共感。

高嶺の花より親近感。

「私もこうなりたい」より、

「この子なら俺の趣味を否定しなさそう」

アイドルはオタクを安心させる仕事になったのか

これは商売としては正しい。

握手会、ミーグリ、メッセージアプリ。

現在のアイドルは、遠くから眺めるスターより「自分を理解してくれそうな存在」の方が強い。

完璧すぎる美女より、

「ゲームで徹夜しました」

と言う美女の方が会話の入口もできる。

結果、坂道は女性のファッションアイコンである以上に、オタク文化と非常に相性のいい存在になった。

悪いことではない。

むしろアイドルとして進化したとも言える。

ただ少し寂しい。

昔は坂道を見て、

「こんな女の子、本当にいるんだ」

と思った。

今は、

「こんな女の子でも、俺たちと同じなんだ」

と思わせる。

坂道が変わったのか。

それとも、アイドルに「憧れ」より「安心」を求める客が増えたのか。

たぶん今の坂道が売っているのは、美少女そのものではない。

美少女が“こちら側にいてくれる”という夢なのだ。

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