売れたかったら、まず肩書きを消した方がいいのかもしれない。
象徴的なのが「あみです、どうも」と「バキ童チャンネル」だ。
泉ノ波あみは歌手であり、俳優でもある。
ぐんぴぃは「春とヒコーキ」というお笑いコンビの芸人だ。
しかしネットで巨大化した名前は、
「歌手・泉ノ波あみ」
でも、
「芸人・ぐんぴぃ」
でもなかった。
肩書きは、見る理由を限定する
「歌手」と書けば、歌に興味がない人は見ない。
「芸人」と書けば、ネタを見るチャンネルだと思われる。
肩書きは何者なのかを説明してくれる。
同時に、
「この人はこれをする人です」
という檻にもなる。
「あみです、どうも」には、その檻がない。
変顔をする。
踊る。
演じる。
日常を撮る。
歌手だから何をする、という制限がない。
「芸人」より「バキ童」の方が強かった
さらに露骨なのがぐんぴぃだ。
「春とヒコーキ」のYouTubeは芸人としてネタを載せる。
一方「バキ童チャンネル」では、性癖、ネット文化、映画、食事、くだらない企画まで何でもやる。
その結果、バキ童チャンネルは登録者200万人を突破した。
売れたのは「お笑い芸人」という職業ではない。
ぐんぴぃという変な人間そのものだった。
何者かになる前に、自分を売れ
昔は肩書きがないとテレビに出られなかった。
歌手。
俳優。
芸人。
モデル。
だがSNSでは逆かもしれない。
肩書きがないから、何をやってもいい。
そして人が人物そのものを好きになった後で、
「実はこの人、歌もうまいんだ」
「ちゃんとコントも面白いんだ」
と本業へ戻ってくる。
売れたいなら、何者なのか説明しすぎない。
職業を売る前に、人間を売る。
ネット時代のスターの作り方は、案外そこにあるのかもしれない。






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