他人が作ったキャラクターを描く。

そして3万円からオークションを始める。

この二つが並んだ瞬間、どうしても妙な気分になる。

コミックマーケット108で、人気イラストレーターIxyが『ブルーアーカイブ』の二次創作色紙4枚を、各3万円スタートのオークション形式で頒布し、批判が集まった。本人はその後、販売方法について謝罪し、今後二次創作で同様のオークションは行わないと表明している。(ユーチュラ⁠)

絵師の技術には、もちろん価値がある

誤解してはいけない。

上手い絵を描く技術には価値がある。

何時間もかけて色紙を描いたなら、その労力に金が払われるのも当然だ。

問題は、「何を描いたことで、その値段になったのか」である。

オリジナルキャラクターなら好きな値段を付ければいい。

しかし二次創作の場合、その魅力の土台にはすでに他人が作ったキャラクター、設定、人気が存在する。

二次創作は「商売じゃない」から成立してきた

『ブルーアーカイブ』の二次創作ガイドラインは、個人などによる非営利目的の活動を認め、制作費程度の対価・利益については非営利の範囲とするとしている。(二次創作ガイドライン⁠)

だから今回のオークションが法的にアウトだ、と外野が簡単に断定する話ではない。

ただ、3万円から価格競争を始める行為が「制作費程度」という二次創作文化の建前から遠く見えるのも当然だ。

ファンアートが「金融商品」になる瞬間

限定一枚。

人気絵師。

人気キャラクター。

欲しい人が競えば、価格は上がる。

仕組みだけ見れば、もはや作品を頒布しているというより希少価値を売っている。

二次創作の面白さは、他人の作品を好きになった人たちが勝手に文化を広げていくところにあった。

そこへ「最高値を付けた人に売ります」を持ち込んだ瞬間、

ファン活動だったものが、急に投機商品に見えてしまう。

絵に値段を付けるのは自由だ。

でも、その値段を作っている人気は、

本当に全部、自分で作ったものだろうか。

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