2019年、YouTubeに「偏差値28」を名乗る受験生が現れた。

りっこ28。

中学時代に不登校を経験し、高卒認定を取得。センター試験直前の模試では偏差値28だったという。

そこから大学進学を目指す過程を、そのまま動画にした。

成功者ではなく「途中の人」だった

今なら「偏差値28から○○大学合格!」と、成功した後から物語を編集するだろう。

りっこ28は違った。

まだどうなるか分からない段階からカメラを回している。

点数が悪い。

勉強する。

また試験を受ける。

その未完成さ自体がコンテンツだった。

2020年には大学へ進学。その後も動画を続けたが、2022年を最後に約3年間投稿が止まった。

そして突然、帰ってきた

2025年10月。

何の大げさな復活宣言もなく、約3年ぶりに投稿を再開した。

すると昔の視聴者だけではなく、新しい世代まで見つけ始めた。

2026年夏の高校生調査では「今一番好きなYouTubeチャンネル・TikTokアカウント」で、HIKAKINやコムドットらと並んでトップ10圏に名前が入った。

昔のYouTubeが、逆に新しい

理由はたぶん、作っていないからだ。

派手な編集。

巨大企画。

「絶対に最後まで見てください」という煽り。

そんな現在のYouTubeとは少し違う。

一人の人間が、自分の日常を妙なテンションでそのまま載せる。

かつて普通だったYouTubeが、一周回って珍しくなった。

7年前の受験生は、7年後もスターになったわけではない。

だから面白い。

りっこ28とは、成功物語ではなく、

ずっと人生の途中を配信しているYouTuberなのかもしれない。

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